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2021.7.30

【NPO#2】地域で子育て支援―1 人で抱えない子育てを―@まめっこ【後編】

NPO 法人子育て支援 NPO まめっこ
中井理事長、大澤事務局長

―前回は過去の課題についてお伺いしましたが、これから解決していかなくてならない課題はあるのでしょうか?
近年、共働き家庭が増加してきています。有料だったとき専業主婦の方が多かったのが、無料になって急激に育休中の利用者さんが多くなりました。多くのお子さんが1歳~1歳半くらいになると保育園に入園して職場復帰されます。「遊モア」でいえば、利用者さんの約半数程度が、子どもが1歳になる年に職場復帰しています。このようにママさんがまめっこや地域と繋がっている期間が短縮化される傾向にあることを受けて、私たちは利用者さんたちとの交流の仕方を変える必要が出てきました。「遊モア」などの施設を通して、親子が交流しあい、子育てにつまずかないようにするための考え方や価値観の教え合いのできる期間が、かつてよりは短くなっています。
―出産から職場復帰までの期間が社会的に短縮化することは、地域社会とかかわる時間も短くなっているということですね。
そういうことです。早期の職場復帰者数の増加に加え、施設の利用制限も相まって、考えや価値観の教え合いの1人当たりの時間がさらに短縮化しています。2020年の3月ごろから流行しているコロナウィルスの感染防止のために、施設の利用者数を制限し、予約制へと移行しています。ありがたいことに、「遊モア」は多くの方に利用いただいているので、予約はいつもいっぱいです。しかし、それが逆に悪影響にもなっています。例えば「いつも予約でいっぱいだから、また今度にしよう」という遠慮する動機づけにもなるのです。早期の職場復帰者数の増加、施設の利用制限、来訪遠慮の動機づけが相互に作用しあって、全体として、1人あたりと触れ合う時間が激減しています。
―さらに言うと、休業時間が短いことに加え、子育て世代の悩むことの質が変化しています。
まさにその通りで、HOW TOを知りたいと思う方が非常に多いです。今の方は何でもネットで調べることができますが、情報量が多すぎて逆に分からなくなる方、子育てを仕事のタスクのようにこなそうとしてしまう方も増えてきました。しかし、お子さんは人です。一人の人としてどう向き合うのか、子どもを「みる」というのはどういうことか、そういった本質を考える必要が今まで以上にあります。
―子育て支援を専門的にやっている団体さんは、現代なりの共通の課題意識をお持ちのようですね...これらの課題をまめっこさんとしてどう解決されようとしてい るのでしょうか?
循環するコミュニティづくりです。「遊モア」の拠点事業だけで解決するには限界があります。しかし、私たちは「家族の絆レストラン」をはじめ、職場復帰後も参加できるイベント「ワーキングママ・パパのおしゃべりサロン」などの取り組みが多数あります。「遊モア」をつながりの起点として、その他の活動にも参加してもらえるよう、もっと働きかけて産前産後の切れ目ない支援に取り組もうとしています。結果、休業中の交流は短くとも、全体としては、交流できる時間を増やすことはできます。その過程で、「遊モア」で共有しあっていた大事な考えや価値観などを、これからの世代の方々に伝えていけたならば、と思います。そして、その世代が子育てを終えたとき、次の子育て世代に考えや価値観を伝えていけるような循環するコミュニティを作っていきたいです。
―最後に、これからの子育て世代へ一言お願いします!
親という立場になる前から、「遊モア」のような施設があることを知ってくれたらいいと思います。そして、ぜひ足を運んでみてください。
―本日はありがとうございました!
関連リンク
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