2021.9.24
【NPO#5】関わりから学ぶ@ながいく【前編】
NPO法人 ながいく
理事・事務局長 今枝麻里さん
- 今回は愛知県長久手市を拠点に活動されている「NPO法人ながいく」の理事長である田中直子さんと、理事・事務局長である今枝麻里さんにお話を伺いました。長久手市は愛知県の中でも人口が増加傾向にあり、平均年齢も若い自治体です。子育て世代が多く暮らす長久手市で、子育て支援をどのようにされているのかを伺いました!
- ー本日はお時間をいただきまして、ありがとうございます!
早速、団体を結成された経緯を教えてください。 - 「ながいく」は NPO 法人として、2018年12月に設立しました。それ以前は事務局長の今枝が「メープル」という名前の任意団体において、子育て支援を行っていました。「ながいく」は「メープル」の仲間と立ち上げた団体になります。
ながいくの前身であるメープルでは、子育てサロンの取り組みを定期的に行っていました。活動では街の色々な集会所を借りて活動していたので、おもちゃを持って移動するなど中々大変でした。スタッフの確保も難しかったので、一度しっかり土台づくりを行おうということで、法人化することを決定しました。
私たちが活動する長久手市は、急激に人口が増加しています。というのも他の自治体からの移住者が増加したからです。そして人口の年代別構成として、子育て世代が多く居住しています。そのため赤ちゃんの子育て支援のニーズも高く、私たちがその部分で力になっていきたいという思いから設立しました。 - ー改めて、活動内容を教えてください。
- 主に子育てひろばの取り組みを行っています。(月)・(水)・(木)の10:00〜13:00に活動しており、未就学児のお子さんとお母さんや妊娠されている方がスタッフとともに遊んだり、お話したりします。託児ではなく、お母さんとお子さんが一緒に過ごす場所であることが特徴です。
最近子育てひろばでは、「お昼ご飯を作って提供する」取り組みを始めました。子どもは無料で、お母さんには300円で提供しています。ここではスタッフが子供の面倒を見れるので、お母さんがゆっくり食事をすることができます。食事の際はお母さん同士であったり、お母さんとスタッフがコミュニケーションを交わす場にもなるので、大切な時間となっています。
現在コロナウイルスが蔓延している状況で、お母さん同士が関わる機会が少なく、孤立化しているというニュースがよくありますよね。長久手市の場合、子どもを産むタイミングで移住してくる人が多いので、周りに知り合いがいない状況で出産を迎え、気づいたら孤立化している状態になりやすいです。 - ーそういった長久手市の独自の環境を踏まえて、お母さんが孤立化しないような取り組みを行ってらっしゃるわけですね!
子育てひろばは1日に何人くらいの方が利用されていますか? - 現在は予約制なのですが、1日6組 ほどが利用しています。人数にすると、12人から15人くらいです。
- ー先ほど孤立化のお話がありましたが、子育てひろばを利用されているお母さん方は実際どうですか?
- 「孤立化」の問題って、お母さんたち本人は自分が孤立していることに気づかないことです。お母さんから悩みを聞くことがあるのですが、その悩みの原因を突き詰めていくと「悩みを話す人がいない」ことに行き着きます。子育ての問題以上に、仲間がいないことが問題になっているのです。
「自分の周りに人がいなくて寂しい」と感じていることを認めるのは意外と難しいと思います。お母さんは赤ちゃんと二人っきりなので、子育ての不安などにより更に寂しく感じています。でも、今自分が抱えている問題が「孤独」であると気づく人は少ないです。そのため、孤独の問題を自然に解決できるような支援をしていきたいと考えています。自然にコミュニケーションを取れる環境づくりです。 - ー以前の取材の経験から、「孤立化」は周りに人が少ないからこそ生じると考えていたのですが、同年代が多く居住している環境であっても孤立化してしまうのでしょうか?
- そうですね。
孤独感は他に人がいて集団があり、その中で1人になってしまうから感じるものであると思います。長久手市は周りに人が多い状況なので、「あっちでは仲良く遊んでいる集団がいる一方で、自分は1人」というように他人と比較して孤独に感じてしまうことがあるのです。
(後編に続く) - 関連リンク
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