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2022.1.21

【企業#4】「まずはやってみる」から生まれたワクワク働く環境@株式会社スノーピークビジネスソリューションズ【後編】

株式会社スノーピークビジネスソリューションズ
業務企画人財部 マネージャー 長谷川千紗さん

―社員の方々への働きかけが理解を広げるためには重要なんですね。
男性育休に積極的に取り組まれているようですが、男性と女性で育休制度の違いはありますか。
 違いはありません。同じ制度になっております。
しかし実態として、男女で育休の取得期間は異なります。女性は子どもを身ごもり、出産し、ご自身のケアに育児....などなどお母さんにしかできない役割があります。そのため、一年ほど休業し、休業期間が終了した際法律通りに復帰されることが殆どです。一方、男性は奥様の身体への負担が大きい時期にサポートをすることが多いため、お子さんが生まれてから一ヵ月ほど休業しております。
―他の企業様にお話をお伺いした際に「産休・育休明けの女性は育児を通じて新しいことを学び、それが復帰後役に立った」という声が何度も上がったお伺いしましたが、貴社でもそのような声はありましたか。
 まず、普段の自分の業務を振り返る機会になったという声が多かったです。
 弊社の男性社員は営業など会社の主戦力になるメンバーが多いので、自分が長期で休むとなった時、進んでいるプロジェクトや案件が止まってしまいます。そのため、プロジェクトを継続させるためには、予め何をすべきかを考え、社内メンバーやお客様にご協力いただく必要があります。例えば、他のメンバーでもスムーズに対応できるように情報を整理したり、お客様や関係者にきちんと事前に伝えるなどしています。このように、育休前の期間があれこれ情報をまとめる機会になったので、自分自身の業務を見直すことができたという声が多く聞かれました。加えて、なんとなく自分が時間を使って解決していた属人化してしまったことを、育休をきっかけにチーム全員が自分事化し、補填しあえるような仕組みづくり、環境づくりに貢献できたという意見もありました。

また、別の角度からは、一つ一つのタスク管理や作業にかける時間を最小限にする工夫が育児を通じて身についたという声もありました。奥様が体を休める時間をつくるために、自分ができる育児や家事を進めようとしたけれど、想像以上にやるべきことが多く、一つ一つについてじっくり考えている時間がなかったそうです。そのため、自分の行動を先読みして段取りよくこなしていく必要があり、マルチタスクを効率よく行う力が身についたという意見を頂きました。
―一方で、育休をとることで「ブランクがあるから、自分の実力に合うことをやらせてもらえないため不満がある」という女性の声を聴く機会が何度もありましたが、そういった不満はありますか?
 弊社では男性社員の育休がメインで、彼らは最大で一ヵ月しか育休をとっていないので、ブランクが生じるということはまだありません。もちろん育休に向けて完全に引き継ぐことができる仕事は他のメンバーが引継ぎを行います。しかし、長期のプロジェクトに携わっている場合は、休業中も意識的に情報を取れるようクラウドツールが整っていますので、プロジェクトに戻る際にその期間のやり取りがわからないという問題もありません。
―育休と聞きますと、3か月や半年など長期の休業をイメージしてしまいますが、一ヵ月の短期の育休という考え方もあるのですね。本当に育休に対する感度が柔軟でとても驚きました。
 自分と家族、会社とのバランスを見ながら、一番良いものを選択できる風土があると思います。例えば、里帰り出産をされている時は、奥様が帰ってきたタイミングで取得したり、お子さんが生まれてすぐ取得するなど、本人たちが家庭の事情に合わせて、取得時期を工夫しております。
―新たなことに挑戦されていることを知り、感激いたしました!
 そんな中感じる課題などはありますか。
 社内メンバーがワクワク働ける環境づくりと企業の責任として法律を守ることとのバランスが課題だと思います。一企業として法律は絶対に守らないといけないルールですが、時にはそれによって本来あるべき姿への道のりが厳しくなってしまうこともあります。法令遵守によって、働き方の自由が奪われてしまったり、新しいチャレンジが制限されてしまうことにもなりかねません。
 そのため、苦労するのは「多角的な視点で考えて、新しい価値を生み出していくこと」です。国の制度を利用する側(社員)とメンバーがより利用しやすい環境を作る側(私たちの部門)の、双方の視点で新たな制度を考える時に、最適なバランスをとることは困難なことも多々あります。
 もちろん、大変ではありますが、達成できた時はとてもやりがいを感じております。
―法律面の課題が多いというのは予想していませんでした。
そんな中で、今後組み込んでいきたい働き方等ございましたら教えてください。
 スノーピークグループは社員全員がデザイナー思考でいることを大切にしており、その考え方を弊社だけでなく日本全体に浸透させ、見本となる企業になりたいと考えています。ゼロからデザインや設計まで全てを生み出していくという思考を、経営層だけでなくスタッフ全員がもち、皆があるべき姿を描いてそれに向けて行動できるようにしたいと思っています。
―最後に、長谷川さんが思う貴社の一番誇れるところを教えてください。
 社風とメンバー同士の関係性の良さです。
 これまで勤めていた会社では、業務以上の関わりが薄いまま、とにかく各々が黙々と仕事をしていた環境でした。その価値観で社会人を7年過ごしていた私にとって、この会社の採用試験を受けた際の衝撃はかなり大きかったです。この会社には、メンバー一人ひとりがとてもイキイキと働き、自分で「働く」ということを工夫し、自分の働き方を自身でデザインできる環境がありました。その環境の土台になっているのが、メンバー同士のコミュニケーションや、笑顔、そして新しいチャレンジを全面バックアップする企業文化でした。そこに独自の文化があり、強い魅力を感じております。
―私も「まずはやってみる」という気持ちを大切にし、様々なことに取り組んでいきます
本日はありがとうございました!
関連リンク
「株式会社スノーピークビジネスソリューションズ」さんはこちら!
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