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2021.6.04

【企業#2】会社の成長は、より良い職場づくりからー多様性と健康をかけあわせるー【中編】

大橋運輸株式会社
鍋嶋洋行社長

―性別も人種もハンディキャップの有無も問わない、多様な人が働く大橋運輸さんですが、どのような理念を持ってここまで取り組まれてきたのでしょうか?
社長業は20年以上になりますが、社長になって10年過ぎたあたりから気づいたことがあります。それは「良い職場環境を作らないと、良い人は出てこないし、売り上げや利益の増加に繋がらない」ということです。良い職場づくりは、従業員のモチベーションに強く関係します。経営層が働きやすさを追求し、従業員がモチベーション高く働くことができる環境に従事することで、自然と売り上げや利益の増加を目指す仕事ぶりが発揮できます。
―職場づくりへと邁進することになった経緯は何だったのでしょうか?
私の経験が関係しています。私が従業員の立場であったころ、管理されたくない、何にも縛られたくない社員でした。そのあと、社長という立場になり、部下がみな自由奔放では組織が動かないということを痛感したのです。加えて、物流業界は規制緩和の影響もあって、価格競争が起こりやすい業界です。付加価値による差をつけることが難しく、売り上げと利益の増加に経営層は固執しがちです。そこで従業員を管理し、売り上げや利益の増加を第一義として接していたのですが、トップが売り上げと利益だけを追求していると、従業員は余裕がなくなってきて、モチベーションが下がり、職場環境が劣悪になっていきました。会議数の増加、業務数の増加、役職の増加など、社内的不利益も多くなっていく一方です。「このままでは、会社が成り立たない。まわりまわって良いお客様にも巡り合えない。」という想いに至ったのです。そこから良い職場環境づくりを推し進めていくことにシフトしました。加えて、社会情勢としても時間管理ではなく、能力で人を判断するようになってきたことも、良い職場環境づくりを進める後押しとなっています。
―言葉では簡単に言えますが、実現できていることが大橋運輸さんの強みですね。
中小企業だからこそ、すぐに柔軟に取り組むことができる、というのはあると思います。しかしそれだけでなく、ブームという一過性で終わらせず、継続的に取り組み続けること。そして、これからの世の中は、今よりも大変になり続けていくからこそ、少しでも楽しく働いてもらいたいという想いを持ちつづけることが必要です。従業員が楽しく働くことができるために、良い職場環境づくりに経営層が注力し続けるのです。
―こういった活動が成果に繋がったりもしているのでしょうか?
愛知県瀬戸市と縁もゆかりもない大学生が、当社の新卒として入社してくれたことですね。当社は、経済産業省が出している新・ダイバーシティ100選・100選プライムに選定されています。その情報から当社を見つけてくれたようです。物流業界は、大学生の新卒を大量に取らない傾向がある中で、この従業員の入社は一つの大きな効果であったと思います。
―大橋運輸さんのように、企業がダイバーシティを推し進めていくためには、まずは何をしたらいいのでしょうか?
女性の子育てに関わる分野の整備を最初にすると良いと思います。なぜなら他の領域で活かせることが多いからです。例えば、休業制度は介護休業や外国人の従業員が一時的に母国に帰らなければならないときに、制度を横展開できます。時短勤務制度においても、不妊治療を受けている方やハンディキャップを持つ方に対して適用させていくことが可能になります。
―ダイバーシティは女性活躍とニアリーイコールで語られることは多いですが、女性活躍はダイバーシティ推進のファーストステップである、ということですね
(後編に続く)
関連リンク
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